第104章 病室ライブ配信

杉浦杏奈は、灰原仁司に担がれるようにしてヘリへ運び込まれた。

彼女はずっと目を閉じたまま、彼の肩にもたれかかっている。顔にはキャップを深くかぶり、光を遮っていた。

灰原仁司が彼女を座席に下ろすと、杉浦杏奈はそのまま椅子に身体をうずめる。

「着いたら起こして」

灰原仁司は何も言わずに彼女を見た。昨夜の、あれだけ無茶をした様子を思い出し、結局は自分の上着を脱いで彼女に掛ける。

「分かった」

ヘリが浮上する。

向かいの席では永井明がタブレットをめくり、隣の永井遥香はうつむいたまま文字を打ち込んでいた。二人とも無言だった。

灰原仁司がふと横を見ると、杉浦杏奈はもう首を傾けたまま、する...

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